中国外務省元報道官:汪文斌氏がカンボジア駐在の中国大使に任命され、カンボジア当局は同氏が二国間関係をさらに強化してくれると確信している。
中国本土系チャイナ・デイリー紙によると、王氏の新たな役職は、4日(火)に同氏が中国国際発展協力庁の羅昭輝長官と会談した後に同庁によって確認された。
王氏は2020年7月から今年5月まで中国の外交部第32代報道官を務めた。
53歳の同氏は30年以上にわたり外交官として勤務し、主に政策立案やアフリカ諸国との交渉に携わってきた。同氏は以前、チュニジア駐在の中国大使として勤務していた。
王氏は1971年4月に中国安徽省で生まれ、南京金陵高校に通った。1989年に中国外交大学に入学し、フランス語を専攻したという。
卒業後、外務省に入省。政策調査室次長、政策研究室長、モーリシャス駐在中国大使館政治参事官、政策企画部参事官、政策企画部次長など外交官として活躍。
彼は2018年5月に全国人民代表大会第13期常務委員会によりビアン・ヤンフア氏の後任としてチュニジア大使に任命された。
2020年7月、耿爽氏の後任として外交部報道官に任命された。
新たな任命により、汪文斌氏はカンボジアでの任務を終えた汪文天氏の後任となる。
ASEAN問題を担当する首相付特使のソ・ナロ氏は5日、王氏がカンボジア駐在の中国大使になると中国政府から知らされたと述べたが、いつ到着するかは不明だと付け加えた。
日本の報道では「中国の戦狼外交官がカンボジア大使に」と伝える
中国がカンボジア大使に外務省報道官を4年近く務めた汪文斌氏を起用することが分かった。東南アジア諸国連合(ASEAN)屈指の親中国であるカンボジアと経済や安全保障の協力を加速した中国の狙いがある。新首相は前首相の中国よりの言動に対し、経済政策の立ち位置では外交的にも中立的な立場をとろうしているかに見える。中国がこうしたカンボジアの新状況にさらなるテコ入れを図るため、強力な大使を新たに送り込んでくることを鮮明にした。それは中国の東南アジア諸国で唯一の足掛かりになると踏んでいるためであろう。汪氏は中国報道官として中国外交の戦狼大使として有名で、外国記者団の質問に対しにべもない対応で滔々と中国公式見解を強硬な姿勢で語ることで知られている。
汪氏は4日、中国の政府開発援助(ODA)を担う国家国際発展協力署の羅照輝署長と面会し、カンボジアの開発支援について話し合った。同署の発表は汪氏の肩書を「次期カンボジア大使」と記している。(日経新聞の報道趣旨)
また北京時事は、中国外務省で副報道局長を務めた汪文斌氏が、新たに駐カンボジア大使に就任することが分かったと伝え。政府の国家国際発展協力署の4日の発表資料で、肩書が「次期カンボジア大使」となっていたという。
彼は定例記者会見では米欧に対する強硬な発言が目立ち、習近平政権の威圧的な「戦狼外交」を体現する報道官として知られいる。
カンボジアは東南アジアで米中が影響力を競う「綱引き」の最前線。カンボジアの海軍基地に中国艦艇が長期停泊するなど、軍事面での対中傾斜を加速させており、米国が警戒を強めている。オースティン米国防長官は4日、中国との間にくさびを打つ目的でカンボジアを訪問し、フン・マネット首相らと会談した。中国にとっては穏やかではない。(時事通信の報道趣旨)
掲載写真:カンボジア外務省 Khmer Times