カンボジアと国連開発計画(UNDP)は11日(月)、カンボジアの後発開発途上国(LDC)ステータスからの脱却に関する政策概要を発表した。
東南アジアの国は2029年までにLDCの地位から卒業を目指すという。
この政策概要では、世界貿易機関(WTO)の規則に基づく知的所有権の貿易関連の側面(TRIPS)免除、特恵市場アクセス、譲許的融資などの国際支援措置の潜在的な喪失を評価した。
「こうした損失は公衆衛生、衣料品、精米、自転車などの主要な貿易輸出品に影響を及ぼし、全体的な経済成長を低下させる可能性がある」と政策概要は述べている。
「GDP成長率は0.5~1.5%低下し、特に衣料品部門で働く女性を中心に16万5000人の雇用が失われる可能性がある」、「その結果、できるだけ早く適切な基盤が築かれなければ、43万2000人が貧困に陥る危険にさらされる」と報告書は指摘している。
カンボジアのビン・トロアチェイ計画大臣は、カンボジアのLDC卒業が社会経済および環境の進歩を妨げないようにするため、同省は関係省庁、機関、民間部門、開発パートナー、市民社会と協力し、卒業後の実施に向けた円滑な移行戦略(STS)を策定すると述べた。
「この戦略は、カンボジア政府の国防戦略第1フェーズとビジョンに沿ったもので、6つの主要優先事項に焦点を当てることになる」と同計画大臣は述べている。そのため「6つの主要優先事項には、人的資本の強化、経済の多様化、貿易市場の拡大、外国投資の誘致、科学技術とイノベーションの推進、社会支援メカニズムの強化などが含まれる」とも語った。
UNDPカンボジア駐在代表アリサール・チャカー氏は、「LDC卒業は課題だけでなく機会ももたらしたカンボジアの開発の道のりにおいて大きな成果を示すものだ」と語った。
掲載写真:カンボジア計画省の提供