
カンボジアとタイは、28日早朝、タイのウボンラチャタニ県(隣接のプリアビヒア州)の係争中の国境地帯付近で両国軍が銃撃戦を繰り広げたことを受けて、緊張緩和に急ぎ対応した。
事件直後から高官レベルの軍事交渉が開始され、その際にカンボジア兵士1人の死亡が確認された。
バンコクポスト紙によると、事件はタイのナムユエン郡チョンボク付近で午前5時半ごろ発生した。この地域は両国が長らく領有権を争っており、以前は相互合意により非占領地域に指定されていた。
タイ軍報道官のウィンタイ・スワリー少将は、衝突はカンボジア軍が常設協定に違反して係争地域に侵入したことから始まったと主張した。
その後、タイのパトロール隊が反撃し、約10分間銃撃戦が続いたと報道官は述べた。
短い小競り合いの後、両国の副司令官は電話で連絡を取り合い、速やかに停戦に合意した。合意にもかかわらず、両軍の兵士は状況監視のため現地に留まった。
カンボジア王国陸軍報道官のマオ・パラ少将は28日、小競り合いが発生し、カンボジア兵のソウン・ロアン曹長(47)が銃撃戦で死亡したことを確認した。
しかし、小競り合いがどのように始まったのかという詳細はまだ「明らかではない」と彼は述べた。
「前回と同じく、彼ら(タイ軍)は常に我々が始めたと非難している」と彼は語った。
「この衝突はカンボジアが望んでいることではない。我々はタイ国防省と協議を続け、事態を速やかに正常化し、今後このような事件が起きないよう相互の解決策を探っていく」と国防省は述べた。
フン・マネ首相は今年初め、長年にわたる武力衝突と甚大な人的被害をもたらした過去の紛争を引用し、カンボジアとタイの国境紛争を政治的利益のために利用することに対して厳しい警告を発した。
フン・マネ氏は、2008年から2011年にかけて起きた武力紛争は両国の政府や軍隊が扇動したものではなく、政治的過激派によって煽られたものだと強調した。
首相は、紛争の壊滅的な影響を強調した。
紛争は双方に死傷者を出し、数千人の民間人が避難を余儀なくされ、二国間関係に長期的なダメージを与えた。首相は、カンボジアとタイの両国民に対し、歴史から学び、過激主義と暴力の悪循環に陥らないよう強く求めていた。
掲載写真:カンボジア国防省