カンボジアニュースKhmer Times はフンセン首相がプノンペンの検疫所内から新型コロナ患者を旧グレートデユーク・ホテルに移送せよと指示した直後、当の検疫所を「悪名高い」と名付けて非難した。が、その後シハヌークビルの検疫所もそしてカンダルの検疫所の似たような悪名の高さを競うような実態が露出してきた。シハヌークビルなら2度もの薬物差し入れ摘発、次はカンダール州の国境カジノ検疫所の実態が政府公認メディア:Khmer Times が今日になって記事にした。ゆるい、ぬるい、だらしない隔離検疫施設、という姿である。カンボジア政府が中国語メディアがフェイクニュースを流したシェムリアップ在住の中国人メディア編集者を逮捕、国外追放処分となった同時期に既に中国の人民日報姉妹版の環境時報(人民日報)は、「カンボジアのコロナ対策は外向けは厳しいが内側はゆるい」と報じていた。またどういわけか、それをそのままKhmer Timesが伝えた。
そこでKhmer Times が17日午前に掲載した記事「検疫の愚かさ:カジノからセンターに変わった場所を自由に動き回った後、64人がカンダルに感染」は明らかにカンボジア政府の意思が反映されているとみる。先の「悪名高い」プノンペン検疫センターと同じようなものということであろう。
カンダール州の国境カジノ地区の検疫施設は、好き勝手がまかり通り、隔離とは名ばかりので昨日64人の感染者急増につながったという。カンダル州コング・ソホーン州知事は16日、トム島地区のカジノで検疫施設の人々が、規則に従って自分たちだけでいるのではなく、同じ建物の部屋から部屋へと移動していたと述べた。が、同氏はそれ以上の詳細について述べなかった。64人の感染内訳はタイ人8人、中国人32人、ベトナム人10人、カンボジア人14人であるが、州知事の短い言及でも隔離施設の彼らの姿が思い浮かべられる。要は、規則はあっても実態は「ゆるい、ぬるい、だらしない」というもので、環境時報で述べられた「カンボジア人の隔離者に外部からの面会者が自由に出入りしている。」また「タバコ、アルコール、麻薬さえアクセスが容易である」(プノンペン検疫隔離施設)と似たりよったりなのであろう。
在カンボジア日本人もいったんコロナに感染すれば、こうした隔離施設や病院に入院するおとを覚悟しなければならない。先ずは最大限の防疫しか手はない。
*掲載写真:カンダル州国境カジノ地区のトム島の検疫施設 画像:Khmer Timesより。