さらに263人の不法外国人を強制送還 犯罪者?被害者?の入り混じり

カンボジアでの人身売買取り締まりの捜査が続く中、10月23日、国境を越えて不法滞在したとして拘留された後、入国管理局は、さらに263人の外国人が強制送還されたことを発表しました。

入国管理局によると、2022 年 10 月 20 日から 22 日にかけて、プノンペン国際空港で入国管理法に従って、バングラデシュ人 2 人、タイ人 16 人、ベトナム人 171 人、中国人 74 人を含む 4 国籍の 263 人の外国人をプノンペン空港やバベットおよびトラペアン プロン国際国境ゲート警察署を通じて強制送還したとのことです。

上記の 263 人の外国人は、違法な国境通過、パスポートの非所持、窃盗、滞在移民法に違反する不法就労内務省の省令による立ち退きおよび入国禁止の罪で拘留されました。

*上記のKhmer Timesをはじめとするカンボジア国内メディアでは、あたかも犯罪者の強制送還という見出しで悪質外国人がカンボジアに入り込んでいるといった記事内容であるが、東南アジアのベトナム、マレーシアなどでは、特に不法労働の罪で拘留された同胞を中国系マフィアのオンライン詐欺やカンボジアが設けたカジノ特区の強制労働の被害者救出と捉えて報道し、感謝の意をカンボジア政府の強力に示している。(下記のベトナム報道を参照)

また、カンボジア政府の認識としても、内務省や労働省の共同声明がカンボジアにおける人身売買、詐欺労働への公式的な立場である。つまり、犯罪の意思を持ってカンボジアにいる外国人と騙されてカンボジアに来た外国人とは、明確に区別しているが、上記の政府の公式報道を一手に引受けているKhmer Timesは、さらに「さらに263人の不法外国人を強制送還」という見出しで敢えて入国管理局の名を出して全てが犯罪者であるかのように報じている。

Khmer Timesの記事の内容をよく読むに「移民法に違反する不法就労」だけでの強制送還なら、過酷な罰則で従来罰金等で済んだことである。今回の大量強制送還には、中国系マフィアのオンライン就職詐欺、カジノでの違法労働の強制等から救出者が含まれているはずである。下記のベトナム報道とカンボジア内務・労働省の人身売買に関する共同声明を参照すれば、Khmer Timesの報道内容に不審が生じるはずである。(下の共同声明に関する記事を参照)

ベトナム カンボジアで違法な仕事に騙された何百人もの市民が救出

この本国に帰るベトナム人をカンボジアは救出ではなく強制送還と認識しているのだろうか?

ベトナムの国内ニュースは、カンボジアで不法就労に騙された何百人ものベトナム人が過去数ヶ月で救出されたと外務省・報道官: Le Thi Thu Hang は 10 月 20 日の外務省の定例記者会見で述べた、と報じている。

同報道官は、ベトナム市民が不法な仕事にだまされてカンボジアで拘束された事件がメディアによって報告されたのは、バッタンバン州のベトナム総領事館の管轄下にある地域で起こったと述べた.

総領事館は、カンボジアとタイの国境に沿った地域のカジノ地区(ポイぺト他)でだまされて違法な仕事に就いたベトナム市民を支援し、救助するための措置を講じるため、カンボジアの地方自治体の当局と協力していると述べた。

同報道官によると、総領事館は今年の 7 月から 9 月の間に約 100 人のベトナム人を救出し、帰国させました。9月末以降、総領事館は地方行政と協力して、さらに171人の市民を解放しました。今後、ベトナムの機関(外務省とカンボジアの代表団)はカンボジア当局と協力し続け、違法な仕事に騙されたベトナム市民を救うために上記の地域の査察を強化するようカンボジア側に要請する。ベトナム市民の正当な権利と利益を確保するための市民保護措置であると広報担当者は述べた。

今後、ベトナムの機関(外務省とカンボジアの代表団)はカンボジア当局と協力し続け、違法な仕事に騙されたベトナム市民を救うために上記の地域の査察を強化するようカンボジア側に要請する。ベトナム市民の正当な権利と利益を確保するための市民保護措置であるとベトナム外務省・広報担当者は述べている。

カンボジアの報道:Khmer Timesとベトナムやマレーシア国内での報道ではそのズレた認識の違いが大きい。

おすすめの記事