さすがに米国は速い!在カンボジア米国大使館は自国民を守るため「ワクチンと夜間外出禁止令」について自国民に新たな警告(権利文書)を発した。
ご存じの方もいるかと思いますが、各国の大使は国の代表として駐在国との外交交渉を担い、領事は在外自国民の権利保護を主たる職務としている。幕末の日本、開国を迫るため1953年にペリー提督率いる米国艦隊が江戸湾に現れ、浦賀沖に滞在し、翌年にはハリスが領事としてやってきた。大使ではない。先ずは日本での自国民の権利保護のためである。これが近代外交の先ずは常識で通商はその後である。
米国大使館からの自己民のために4月9日付で発した<注意喚起>
ーワクチン接種についてー
「カンボジア政府は、米国市民を含むカンボジアの外国人居住者に対して、COVID-19ワクチン接種を要求するために以下のガイダンスを提供している。
労働職業訓練省(MLVT)は、Eクラスの通常ビザとMLVTによって発行された労働許可を保持している外国人を登録する責任があります。登録には、有効なパスポート、有効なビザ、および就労許可が必要である。
地方自治体は、他のすべての外国人居住者を登録する責任がある。登録には有効なパスポートと有効なビザが必要です。
予防接種(ワクチン)を希望する米国民は、この発表に従って、雇用主(Eクラスの通常ビザ保有者の場合)または地元の知己や区当局に連絡することをお勧めする。アメリカ市民は大使館に登録する必要はなく、予防接種を受けるために大使館からの手紙も必要ない。
アメリカ市民は、カンボジア当局に登録するとき、または予防接種を求めるときに、この発表の印刷されたコピーを所持することを検討することようお勧めする。
居住者でない、または有効なビザを持っていない外国人は、このガイダンスの下で予防接種を受ける資格がありません。」
ー夜間外出禁止令と旅行制限ー
「プノンペンでの現在の夜間外出禁止令と州間のすべての旅行の禁止に加えて、カンボジア当局は以下の夜間外出禁止令を発表し、ほとんどの種類の集会と夜間外出禁止令時間中の旅行を禁止しています。バンテアイメアンチェイ州は、2021年4月20日まで午後8時から午前5時まで夜間外出禁止令を課した。
トボンクムン州は、2021年4月20日まで午後8時から午前6時まで夜間外出禁止令を課しました。
(既にプノンペン都の翌日コンポンスプ―州、さらに4月10日シェムリアップ州も外出禁止令を課した。)
これらの夜間外出禁止令に違反した個人は、COVID-19の蔓延を防ぐために施行された最近の法律に従って罰せられる可能性がある。
アメリカ国民は、旅行制限、夜間外出禁止令、および発生対応に関連するその他の措置に関する地方自治体による発表を注意深く監視することをお勧めする。」
以上である。
米国の姿勢に比べ日本はどうなのか
要はワクチン接種についてパスポート、労働許可書、それがない者は滞在ビザと上記の文書の印刷物の携帯で居住地のサンカット(地区)かコミューン(自治区)の役所に出向くこと、とカンボジア政府から連絡を受けている、ということである。
さて、在カンボジア在住日本人は日本大使館からの配信メールによれば、4月2日付で
「一般的に、外国人に対するワクチン接種を行っている国では、副反応などの健康被害が生じた場合の補償を含め、必要な情報を開示した上で、その国に在住する外国人がワクチン接種を希望する場合、個人の意思に基づき、接種を実施するものであり、日本国内においても、同様の手順で日本国内に在留する外国人に対するワクチン接種が行われます(その際、各国大使館の関与はありません)。
4月2日現在、カンボジアで接種可能とされる新型コロナウイルスワクチンは、3種類(Serum Institute of India社製ワクチン「COVISHIELD」、Sinopharm社製ワクチン及びSinovac製ワクチン)であり、いずれも日本の保健当局が薬事承認したものではありません。そのため、当館として積極的に接種をお勧めすることはできませんが、各種リスクを踏まえた上で接種を希望される方については、個人の意思に基づき接種を受けることが可能となるよう、カンボジア政府に働きかけておりますので、なんらかの回答が得られれば、あらためてお知らせします。」
というもので、その後のワクチン接種に関する配信はありません。内容は下記の2点にまとまられます。
① カンボジアでのワクチンは、日本の保健当局が薬事承認したものではありません。つまり日本が進めているワクチンとは異なる。
② 各種リスクを踏まえた上で接種を希望される方については、個人の意思に基づき接種を受けることが可能となるよう、カンボジア政府に働きかけているが、回答がない。
慎重と言えば慎重な姿勢であるが、各国の外国人が接種を受けているのに、何等大使館から連絡がないままというのは困惑と不安が広がるだけである。特に②については在カンボジア日本大使館は強力にカンボジア政府に働きかけ、早く回答を得て欲しいというのが、在カンボジアでビジネスやリタイア生活、帰れに帰れない日本の感染状況を注視している日本人の本音であろう。