「11月28日の市中感染事件」 政府 敢えて最初の感染者夫婦の身元公開

4日(昨晩)突如、政府高官の感染者夫婦の写真附で身元公開

4日夕方、地元メディアのKhmer Timesは、「11月28日の市中感染事件」での最初の感染者夫妻の身元公開を報道した。4日夜、他の地元活字メディアでの報道はない。そして身元公開は写真付きであるといった結構衝撃的であった。

「11月28日の市中感染事件」 28日夜の感染が確認された政府高官:刑務所局長夫妻 29日、家族全員6人の感染が隠された。       画像:Khmer Times より

既に4日夕方の時点で「11月28日の市中感染事件」関連の感染者は累計29人

突如、保健省は新型コロナウイルス(COVID)の検査で陽性となった感染者の身元を公開し始めた。これは、 感染者と接触した人々をできるだけ早く追跡するため、説明しているが、それだけではあるまい。

それ故にkhmer Timesでは「保健省による感染者の身元公開」と言いながら、11月28日の市中感染事件の感染者1号、2号目のみの写真を掲載・公開している。それだけ今回の市中感染事件絡みでの感染者の急増、クラスターの発生の拡大に国民の動揺が拡がっているのだろう。それまで感染者の氏名、役職、年齢、性別の公開を保健省は行っていたのだが、ここに来て写真付きの公開である。この保健省による公開は、フンセン首相の同意を得て行われたともKhmer Timesは伝えている。

カンボジア政府は、「11月28日の市中感染事件」関連に連日敏感に反応

ネットでの噂、流言飛語に保健省をはじめ各省が否定、警告を繰り返す

フンセン首相は、4日夜に「個人の権利について考える時ではなく、生きる権利について考える時である」と説明し「私たちはすでに、国会議長のヘン・サムリン、彼の家族、その他の国会議員、サー・ケン副首相とアン・ポルノモニロス、その他の大臣など、検疫が必要な人々の身元を公開した」と述べた、とKhmer Timesは伝えている。

また、11月28日の市中感染関連についてfacebookやSNSの噂、流言飛語に否定や警告を関係各省が発信し、地元メディアに「今回の事件の最初の感染者はいつ、どこでコロナ感染したのか」という疑問を呈する記事も出て翌日には、保健省はそれらにこともしっかり追跡していると発表している。敏感ともいえる政府の反応である。

「スパースレッダー」の語句が地元メディアに登場

スーパースレッダーとは、或る感染者が通常より多くの感染を広げる核になる感染者である。khmer Timesは、4日夜の記事「カンボジアの新型コロナウイルス感染(COVIC-19)では、さらに3人の入国者の感染例が見られ、レッドラインを越えて累計感染者344人に達する」という題名の記事に突如「スーパースレッダー」の語句が登場した。記事の内容を見るに「スーパースレッダー」を特定の感染者に当てはめていないが、同時刻の記事に保健省による「最初の感染者夫婦の身元公開」があり、特定はしていないがなぞられている節がある。カンボジアの地元メディアは欧米基準の「報道の自由」は制限されているのが実態で、時折この種の謎めいた記事が掲載される。要は「読むべき人は理解できる」といった記事である。

*スーパースレッダーについて、下記のWebサイトが参考になります。

東京都感染症情報センターの公式サイト:http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/sars/sars/spreader/

 

おすすめの記事