政府 苛立ちが募る 検疫逃れや感染調査への非協力の外国人に厳罰化
A Kork Khleang Village at Khan Sen Sok, Phnom Penh closed after finding a man works at N8 Entertainment Club. Kohsante Pheap

既に本サイトで24日のニュース記事「新型コロナ対策違反で外国人を取り締まれ! 法的措置の強化と国外追放に」で報じたように、厳罰化の流れが法的に可能となった。26日、カンボジア政府・閣僚評議会は、新型コロナ対策規則に違反した者に対するより厳しい罰則を承認した。閣僚評議会は本日、COVID-19標準運用手順および規則に違反する個人および団体に対してより厳しい法的罰則を課すことを全会一致で承認した。

地元メディア:Khmer Timesが入手したサーケン内務大臣とマム・ブンヘン保健大臣宛ての公式書簡の政府文書によれば、厳しい法的措置を課すというこの決定は、これまでに特定された77のホットスポットで236人を感染させた「2月20日市中感染事件」と呼ばれる3回目の市中感染発生の悪化によるものである。それは、カンボジア政府の新型コロナウイルス予防措置を無視した、または当局の同作業に協力しなかった個人および施設に対するより厳しい罰則を承認したことになる。

また、以上を順守しなかった外国人は、王国への再入国無しの国外追放に直面する一方で、新型コロナ抑止策の強化として法律による厳しい規定が地元住民にも適用されることになった。

感染追跡調査への外国人の非協力 高まる現場の不満

こうした新たな厳罰化の動きは、今回の市中感染事件の感染源が検疫逃亡の中国人、感染者の占める割合で圧倒的に中国人が多い、所謂「中国コミュニティー感染」とも言えるような事件、それに加えて当局への感染者や感染場所オーナー(例えば中華系ホテルや中国企業投資のサービスアパートメントなど)の非協力に対する現場の不満が高まっている中、さらに中国大使館から得た情報とほぼ同様のものが地元の中国語メディアから流れるという事態にカンボジア政府の苛立ちはかなり募っていたとみられる。一方で同市中感染の発生当初にフンセン首相自ら「(感染をめぐって)中国人を差別するな!」と呼び掛けているのに!という思いもある。逃亡、非協力、闇市場と続きカンボジア政府に苛立ちは頂点に達したかー逆鱗に触れたかーのような外国人向けの厳罰化の流れができた、ということであろう。

26日夕刻 日本大使館より在カンボジア日本人にメール配信

こうした閣僚評議会の決定受けて日本大使館は、次のような在カンボジア日本人対し<注意喚起>のメールを26日夕方に配信した。下記の通りである。

新型コロナ感染者の追跡調査等への非協力に対する罰則の導入

222日、カンボジア政府は、新型コロナウイルス感染者の追跡調査に対して協力しない、当局からの連絡に答えない、また隔離指示に従わない外国人について、退去強制処分とし、再入国も禁止することを決定した由です。

同決定は、協力を拒む商業施設について、ライセンスのはく奪や営業施設の閉鎖を行うことも可能とする内容になっています。

カンボジア滞在中の方におかれましては、ご自身の感染予防に努めるとともに、上記法的措置についても留意してください。 

◆◇◆◇◆ お問い合わせ先 ◇◆◇◆◇◆

『在カンボジア日本国大使館  領事班』

TEL: 023-217-161

URL:  https://www.kh.emb-japan.go.jp

e-mail:  consular.jpn@pp.mofa.go.jp

『在シェムリアップ日本国領事事務所』

TEL: 063-963-801

e-mail:  consuljp.rep@re.mofa.go.jp 」

26日付のKhmer timesが入手したという文書による記事と日本大使館の配信メールによって、新型コロナ対策違反の厳罰化に要点は次の4点になる。

① 新型コロナウイルス感染者の追跡調査に対して協力しない、当局からの連絡に答えない、また隔離指示に従わない外国人について、退去強制処分とし、再入国も禁止する。

② 当局に協力しない事業主または経営者については、事業の閉鎖を命じられ、免許は取り消す。

③ 検疫違反 具体例として今回の市中感染は2月8日の検疫ホテル脱走の4人の中国人男女を感染源としている。当然、検疫違反者及びお金で逃亡を幇助したカンボジア人警備員は法的に罰せられる

④ 在カンボジア中国語メディアサイト:Angkor Todayが「闇市場で中国支援のワクチンが販売されている」と放送した件で25日、カンボジア政府は直ちに「フェイク」であると断定し、サーケン内務大臣の承認で同メディアの編集長:シェン・カイドン(51歳)を逮捕し、国外追放、再入国禁止と事業主の放送認可の剥奪の件をKhmer Timesは厳罰化の例としてあげている。

(参照)「カンボジアでワクチン販売」報道の中国紙編集長、逮捕、強制送還

既に今週初め、フン・セン首相はその特別放送で「11月3日、11月28日、および現在の2月20日のコミュニティの事件と発生から学んだ教訓は、自発的に検査を受けるなど、既存の法律を遵守しなかった個人が多いことを示した」と述べている。そこでも中国人感染者への配慮にも触れていたのだ。

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