現在、暫定首相であるフンセン氏が首相を辞任にし、長男のフン・マネ氏が次期首相になると国民向けメッセージを発表したが、政府機関の上級公務員の間に動揺が広がっているのか、フン・セン首相は、「政府の主要機関の主導者である国務長官、国務次官、王立政府顧問、陸軍参謀長、参謀長などの旧任務における同じ地位と役割を持つ当局者と警察、軍司令官、副知事の職位は変わらない」と述べた。また、同時に「局長、次長、室長の職員も留任する」という。
公務員はほぼ全員、政権党員(人民党員)であり、特に職権行使が利権となっている上級公務員にとっては、新内閣の発足への動きは気になるところだ。『枕草子』ではないが、人事とは現在の利権固守(これが腐敗そのものの温床)こそが先ずは上級公務員(高官たち)のすさまじきものの第一の関心なのだからである。
新政権は現状維持で「安定が第一」、人事(権力構造)に手を付けない
首相は29日(土)朝、国民、政府関係者、軍に向けた特別メッセージを通じて。首相交代に伴い一部の当局者の疑問と懸念、不安を払拭するためのものである。要は、暫定首相と首相への引継ぎがあっても政府構成は当面現状維持ということである。
この間、すさまじき忖度が暫定首相や新首相に向けて働きかけが行われているであろうことは、想像に難くない。途上国の多くは政府が変わるということは、急激な変革ならば、政府メンバーの利権構造が根こそぎ変わることを意味するから、クーデターが頻発するのである。それ故に暫定首相は、新首相に現状維持で新政権安定を第一に選んだことになる。
フン・セン首相は、新任期の首相と閣僚が旧官僚の続投にこの声明に留意することへの期待を表明している。
掲載写真:フレッシュニュース